インソールとは?ー間違った選び方、正しい選び方ー

特集

インソールとは

インソールとは、足のトラブルを解決するために、靴をより快適にする目的で設計された靴の中敷きです。

インソールには、1人ひとりの足型に合わせて製作して微調整も可能な「オーダーメイドインソール」と、微調整は出来ない完成品の「機能性インソール」があります。

インソールは足裏から全身までを支えるので、さまざまなお悩み改善に効果が期待できます。

外反母趾・足の指が痛い・足の指同士が当たって痛い・足の裏や小指の下が痛い・内反小趾・タコやマメ・魚の目・膝の痛み・O脚・かかとの痛み・⾜の疲れ・ふくらはぎが張る・足のむくみ・冷え性・腰が痛い

インソールの「3つの重要な役割」とは?

①支え

みなさんに質問です。「足の踵は頑丈で安定した部分」だと思いますか?

4本足の動物は「かかと」が地面に着きません。写真の赤い丸が「かかと」ですが、犬が地面に着いているのは、実は「つま先」です。

ヒトの祖先が2足歩行を始めて、かかとが地面に着くようになり、かかとの骨やアーチなど骨格が発達しました。立っている時は体重の6割以上を支え、歩く時は踵から地面に着地しますから「踵は頑丈な部分」と思ってしまいますよね。

でも、かかとの骨が内側に倒れることで、足の骨格やアーチ全体が低下する「扁平足」の方は非常に多いですが、実は、かかとは進化途上の「弱い」部分なのです。

この「かかと」を支えるのはインソールの重要な役割です。

適切なアーチサポートと、かかとを包み込むお椀型の形状(カップインソール)は、かかとの骨を「まっすぐ」に支えます。また、外反母趾や扁平足など足型が変形すると、足だけでなく、膝・腰など身体の負担が増加しますが、インソールが「かかと」を支えて骨格の変形を予防・改善し、快適に動けます。

②圧の軽減・分散

さまざまな形の「土踏まず」

凹足(おうそく・ハイアーチ)
標準的な足
扁平足(へんぺいそく)

足の裏は、すべて曲面です。接地しているのは「大きな点」と「小さな点」の複数の集まりで、接地していない空間もあります(土を踏まない場所を「土踏まず」と言いますね)。この「点」に負担が集中して、皮膚が固くなったり、タコや魚の目などのトラブルが発生します。

「点」に掛かる圧力を空間の部分にも掛かるように分散し、減圧するのがインソールの重要な役割です。

また、大地を2本の足で歩きはじめたヒトの足の骨格は、複数のアーチが連なる構造に進化し、地面から衝撃を受けるとアーチがたわみ、衝撃を吸収するようになりました。

しかし、舗装道路などの硬い地面から受ける衝撃は、ヒトの素足が持つ能力では対応できないのです。この様なときは、適切なアーチサポートがあるオーダーメイドインソールや高機能インソールを入れることでアーチの能力が向上し、衝撃を吸収することが可能になります。

激しいスポーツの際やランニング・ジャンプ・ストップ・横のステップなどは、時に体重の数倍もの負荷や衝撃が掛かりますので、インソールの支えやクッションが必要です。

しかし、スポーツに必要な可動域を損なう過剰な支えや、安定しない過剰なクッションは、パフォーマンスに悪影響を及ぼすこともあります。スポーツ用に設計されたインソールは、身体の動きの自由度を確保しながらも、ここぞという時に身体を支えます。

「点」に掛かる負担を「空間」に分散するインソール

③導き

「オーバープロネーション」って?

インソールは、立つ、歩く、走る、急に止まる、踏ん張る、ジャンプする、横に動く、階段を降りるなど、さまざまな動きが正しい姿勢で行えるように導くことができます。インソールは日常のガイド役なのです。

正しく設計されたインソールは、足を正しいアライメント(骨の配列)に導くことで、身体を常に「ニュートラルポジション」に戻すように導きます。

ウォーキングやランニングの時、かかとを着地した瞬間に、かかとが内側に倒れる現象「プロネーション」が必ず発生します。プロネーションはアーチ構造とともに、ヒトの足が進化して獲得した重要な衝撃吸収機能で、正常なプロネーションは全身を着地の衝撃から守るために欠かせません。

しかし、異常にかかとが倒れすぎる「オーバープロネーション」が発生するとアーチ構造が崩れ、足首〜膝〜股関節〜腰までの軸が不安定になり、全身に悪影響を及ぼしパフォーマンスが低下します。

適切なインソールは、オーバープロネーションを抑制して正常範囲に導き、足首〜膝〜股関節〜腰までの軸を安定させて、正しい蹴り出しに導きます。

ゴルフのスイングをする時は「立ったまま身体を大きく捻る」動きが発生しますが、正しい設計のインソールは、足のアライメントを保持することで、膝や腰の過剰な捻れや傾きを、足元から「それ以上捻らないで、こっちに戻って」と抑制し、ニュートラルポジションに導きます。

オーバープロネーションとは逆に、かかとが外側に倒れる動きを「サピネーション」と言いますが、正しく設計されたインソールは、これも抑制してニュートラルポジションに導きます。

インソールがシューズのフィット感を高める

市販のシューズは、D・E・2E・3E・4Eなどの「日本工業規格」や、ラストと呼ばれる立体足型モデルをもとに作られています(海外メーカーのシューズは日本の規格とは異なります)。

ですが、実際の1人ひとりの足型は、この規格やラストにぴったり当てはまるケースは皆無です。また、足のお悩みや痛い場所などによって、程よいフィット感は1人ひとり異なります。

インソールは、こうした「足とシューズのつなぎ役」であり、シューズのフィット感を微調整して、履き心地を改善します。

日本工業規格(JIS) 女性ウィズ対応表
男性ウィズ対応表

インソールがあれば、どんな靴も履きやすくなる..?

インソールを入れれば、どんな靴も「足に合った靴」になる、という訳ではありません。

インソールのオーダーメイドでも、すでに完成したインソールでも、1人ひとりにフィットした靴にするためには、前提として「足に合った靴」が必要です。

メガネに例えるなら、靴は「メガネのフレーム」です。フレームにはめ込まれる「レンズ」がインソールに当たります。

顔の形に対してフレーム(靴)が小さいと食い込んで痛かったり、大きいとズレてしまったり、不快ですよね。

また、フレーム(靴)が合っていても、レンズの度数(インソールのフィット感)が合っていなければ、転倒など危険さえ伴います。

また、インソールだけ先に購入してしまうことが、トラブルを引き起こすこともあります。

トラブルの一例として、「10万円のオーダーメイドインソール」だけを購入したものの、「持っている靴にインソールを入れると窮屈で履けない」「かかとがパカパカ浮き上がってしまう」などの相談が当店には多く寄せられます。

また、オーダーメイドインソールは「微調整をしてもらえること」がとても重要です。実際に靴に入れて歩くと、少しきつかったり、アーチサポートが強すぎて気になることは多いものです。

オーダーメイドインソールを注文する時は、微調整を「何度でも」してもらえるか、確認することが大切です。もし「使っていけばそのうち慣れます」などと言われ、微調整のことを詳しく説明してもらえない場合は、そのオーダーメイドインソールの購入は見合わせた方が良いかもしれません。

オーダーメイドインソールで失敗をしないためには、当店のように靴も販売していて、靴の専門知識を持つスタッフに足を計測してもらい「足に合ったシューズ」をまず先に選んでください。

それから、シューズの形状にも合わせて厚みやフィット感を調整したオーダーメイドインソールや、適切な厚みで足に合う機能性インソールをシューズに入れて、履いてフィットするか確かめることが大切です。

楽歩堂は、1人ひとりの足に合わせたオーダーメイドインソールをお作りしております。また、足型を計測し、歩き方を実際に見て、経験豊富な「靴あわせ名人」をはじめ、専門スタッフが足に合う靴をアドバイス・お選びしています。

※オーダーメイドインソールは実店舗のみのお作りです。楽歩堂 e-shopではお取り扱いがございません。

これは「フットプリント」と呼ばれる足型を採取しているシーンです。
インクを使って、専用の用紙に足型を写し取る作業です。
インクは直接足に塗らないので、足はインクで汚れません)

楽歩堂が作るすべてのオーダーメイドインソールは、足と靴の専門知識を学んだスタッフが「フットプリント」を採取して、アーチの形状・指の着き方・負荷がかかる部分・角質の状態・左右差などを分析します。

採取したフットプリントには、インクが濃い部分、薄い部分がはっきり現れます。インクが濃い部分ほど負荷が掛かっています。

アーチ形状も判るので、扁平足などの判定も行えます。

指が地面にしっかり着かない「浮き指」も、はっきり現れます。

これは「触診」と呼びます。関節の動きや可動域の確認・筋肉の状態(硬い・柔らかい・強い・弱い)・皮膚の状態・痛い場所の特定などを行い、足の状態を詳細に確認します。

これらのデータを、適切な靴えらびと、足に合うインソール製作につなげていきます。

出来上がったオーダーメイドインソールは、お渡しする時に、必ず使用する靴に入れて店内を歩いていただき、違和感の微調整をその場で行います。

しばらく使用するうちに違和感を感じた場合は、製作した店舗で微調整を行いますので、店舗に靴とインソールを合わせてお持ちください。

楽歩堂のオーダーメイドインソール「メモテック」シリーズの特徴

多くのオーダーメイドインソールは、普通のインソールと比較すると厚く作られていますので、クッション性や耐久性が良いものの、そのインソールが入る靴が、なかかな見つからないケースも多いです。

当店には、そうした相談が多く寄せられます。

インソールだけを先に購入してしまうと、予想以上に、靴探しが大変なのです。

また、先に購入したインソールが入ることを最優先にして靴を探すと、足型に合わないような幅広すぎる、大きすぎる靴を購入せざるを得ないこともあります。

当店では、こうしたことを防ぐために、足型にはもちろん、靴の構造にも合った、適切な厚さのオーダーメイドインソールを製作しております。

一般的に、インソールは薄くなるに従い、クッション性やサポート力の持続が悪くなります。

長く使っていると、体重が掛かる部分が凹んで薄くなり、皮膚が擦れて痛くなったりします。

それを防止するために、楽歩堂のオーダーメイドインソール「メモテック」のクッション素材には、復元性が長期間持続するポリウレタン素材を使用しております。

これによって、たとえ薄目の素材でもクッション性が持続しやすく、快適に使用できます。

標準〜やや薄いタイプ「メモテック」

「メモテック」は、インソールを取り外せるスニーカーやウォーキングシューズなどに適合します。

ヒールカップが深いカップインソール形状で、やや硬めの芯材が足をしっかりサポートします。厚さは4mm(つま先部分)です。

薄いタイプ「メモテック エブリイ」

カップインソールを入れると、かかとが脱げてしまいやすい浅めのスニーカーやタウンシューズにもぴったり適合します。市販の浅いスニーカーにも合わせやすいです。厚さは4mm(つま先部分)です。

1mm極薄タイプ「メモテックフレックス」

もともとインソールが入っていないパンプスや、ビジネスシューズ・インソールが取り外せないスニーカー・普通のインソールを入れると窮屈になってしまうシューズに適合する、プレートタイプのオーダーメイドインソールです。

※「メモテックフレックス」は、なるべく薄くするために、ポリウレタンのクッション素材は使用しておりません

 

スポーツタイプ「メモテック ムーブオン」

スポーツタイプは、衝撃吸収に優れたクッション素材を負担がかかりやすい位置に配し、深いカップ形状のかかとがヒールコンタクト(かかと着地)の衝撃を和らげます。

ランニングや各種スポーツにお勧めです。厚さは4mm(つま先部分)です。

厚いタイプ「メモテック コンフォート」

病院の足底板に近い7mm厚で、ソフトなポリウレタン素材のクッション性・アーチサポート力が非常に優れています。

楽歩堂オリジナルシューズには、このインソールが入る設計のシューズも多くラインナップしています。

コンフォートシューズ専門ブランド・フィンコンフォートにも適合します。ドイツ製コンフォートシューズに入っているコルクインソールの硬さが足に合わない方にもお勧めです。

※オーダーメイドインソールは、きつくならない限り、なるべく厚いインソールを入れる方が衝撃吸収力やサポート力が優れ、より高い効果が期待できますが、楽歩堂では靴や足の状態に合わせて、1人ひとりに最適な厚みや形状のオーダーメイドインソールを製作しております。

このような靴に製作することも可能です。

靴を各店舗にお持ちください。足型を計測して、オーダーメイドインソールを製作いたします。

ゴルフシューズ
スパイク・競技用シューズ
安全靴・長靴

お勧めの完成品「機能性インソール」

「オーダーインソールはちょっと高い・・」
「オーダーの前に既成のインソールでいいものがあれば試してみたい・・・」

そういった方にお勧めのインソールは、ドイツ・サンベッド社のインソールです。

  • 洗濯機で洗うことができるのでいつでも清潔
  • アーチをサポートし、足を適切な状態に保ってくれる
  • 靴内の湿度を調整してくれる素材
  • 人体、環境に有害な接着剤を使用していないので安全性が高い
  • 製造工程で出た廃材はすべて社内でリサイクルされている

SPORTS

最新のスポーツ医学に基づいて開発されたインソールです。
かかと寄りに配したアーチサポートは、スポーツに最適なサポート力を持ちながら、筋肉の自由な動きを妨げない様に設計されています。
しっかりしたシェルで、スポーツの激しい動きでも安定します。
独自のフォーム素材が衝撃を最大70%吸収し、骨や関節への衝撃も緩和します。
滑りにくい表面素材で、つま先のグリップが活かせます。

GEL

薄い造りで、アーチサポートは低い設計ですが、かかとにゲル素材を配し、着地の衝撃から足や関節を守ります。
体を正しい姿勢に正し、猫背や腰の負担も軽減します。
硬いビジネスシューズや、普段履く靴のクッション改善にお勧めです。

Elegance

厚さ1.5mmなので、パンプスやビジネスシューズなど、インソールが取り外せない靴にも入れることが出来ます。
やや高めのアーチサポートが、足裏の圧力を分散します。
ハイヒールでも姿勢が安定し、膝や腰の負担を軽減します。
機能性インソールも、用途に応じて使えば、靴や足の悩みの軽減が期待できます。
インソールで解決しない場合は、靴えらびに原因があるかもしれません。
正しく健康に歩くには、まずは足に合った靴を履きましょう。
楽歩堂では確かな知識と経験を持ったスタッフがお客様に最適な靴をご提案します。

■サンベッドについてのお問い合わせはこちらから

■楽歩堂オフィシャルサイトはこちらから
https://www.rakuhodou.com/

■楽歩堂 e-shop(通販サイト)はこちらから
https://eshop.rakuhodou.com/

タイトルとURLをコピーしました